大相撲春場所後に昇進した新大関の朝乃山(26=高砂)が1日、都内の部屋で夏場所(5月10日、東京・両国国技館)に向けて稽古を行い、四股やすり足、テッポウなどの基礎運動で汗を流した。

この日から新年度が始まり、令和最初の大関となった朝乃山にとっても新たな日々が始まる。新型コロナウイルス感染予防のため外出を極力控えており、生活習慣も変化。「ダンベルを使うのも濃厚接触になるので」と普段通っているジムには足を運ばず、部屋の地下にあるトレーニングルームで体を鍛える時間が増えたという。「この時期は外に出られない。毎日同じ生活になるので退屈といえば退屈」と戸惑いは隠さなかったが「ストレスはない」と力強く話した。

父の言葉で初心に帰ったという。ちょうど1週間前の先月25日の伝達式で、報道陣の取材に対して父靖さんが「(かつて朝乃山が)地元に錦を飾るのは1つの目標、夢と言っていた」と発言。その言葉を受けて朝乃山は「(大相撲に)入ったからには富山に錦を飾る、おやじが言っていて思い出した。有名人になりたい、いろんな人を見返してやりたいと思っていた」と入門時の心境を回顧。入門から約4年で、富山県出身力士としては元横綱太刀山以来111年ぶりの大関昇進を果たした現状に「ちょっとずつ錦を飾っていると思う」と笑みをこぼした。

新大関場所となる夏場所の開催は不透明な状況。当面は部屋の稽古で基礎運動を中心に体をつくり、準備を進める。