日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は9日、報道陣の電話取材に応じ、幕下以下の力士1人が新型コロナウイルスの感染を調べるPCR検査を受けたことを明かした。

同広報部長によると当該力士は4日に発熱。2日ほどで1度下がったが、再び高熱が出て倦怠(けんたい)感や息苦しさ、血痰(けったん)の症状が見られた。この日、都内の病院でPCR検査を受けたという。

芝田山広報部長は、当該力士が1度、8日にも検査を受けたと説明した。「昨日に簡易検査を受けたところ、陽性と判明した」と明かし、同日夜に病院側から陽性であると伝えられたという。しかし、一夜明けたこの日、病院側から「陰性でした」と誤りだったと連絡が入ったとした。

その上で同広報部長は「引き続き、簡易ではなく本検査を受けている」と説明。陽性の場合は10日に判明し、陰性の際は11日に確定するという。当該力士は入院中で、行動については調査中。所属部屋の朝稽古は中止となっていて、陽性だった場合は部屋の全員が検査を受けるとした。

協会はあらためて、全師匠に予防策の再強化の要請を通達し、原則的に外出禁止とした。3日に行われた臨時理事会では大相撲夏場所(5月24日初日、東京・両国国技館)の2週間延期が決定。八角理事長(元横綱北勝海)は今後も日程などの変更の可能性は十分にあると明言していた。もし陽性反応なら角界初となり、夏場所への影響が懸念される。