日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は26日、報道陣の電話取材に応じ、2週間延期が決まっている大相撲夏場所(5月24日初日、東京・両国国技館)について、あらためて開催を視野に入れていることを明かした。

25日に協会副理事の高田川親方(元関脇安芸乃島)と弟子の十両白鷹山、幕下以下の力士4人の新型コロナウイルス感染が判明。10日に初めて感染が判明した幕下以下の力士1人を含めて、角界での感染者は合計7人となった。夏場所開催は厳しい状況とも思えるが「今のところ、5月場所開催に向けてはそのままの状況。私たちは何回も言っている通り、諦めずに5月場所開催を視野に入れていきたい」と話した。

開催のためにもまずは、感染経路などを調査したいところだ。しかし、高田川親方ら新たに感染が判明した6人の容体などは不明だという。「何の情報も入っていない。高田川親方に『どうですか』と今聞ける状況ではない。1日も早い回復を願っている。それからじゃないと話は聞けない」と頭を抱えた。

3月の春場所は史上初の無観客で開催し、15日間での新型コロナ感染者数は0だった。しかし全国での感染拡大は収まらず、3日の臨時理事会で夏場所の延期が決定。以降は力士らの外出を原則的に禁止したり、接触を伴うぶつかり稽古の自粛を要請するなどして感染拡大の防止に努めてきたが、夏場所開催1カ月を切って複数の感染者が出た。

27日の夏場所の番付発表は予定通りに行うとした。現段階で臨時理事会の予定は決まっていないというが「世の中の感染の状況だとか、世の流れとかいろいろなものを踏まえて、専門家と話しをしながら決めていきたい」と開催の可能性を探る意向を示した。