日本相撲協会は27日、大相撲夏場所(5月24日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。春場所後に昇進を果たした新大関朝乃山(26=高砂)は報道陣の電話取材に応じ、自身のしこ名が太くなった番付表について「(付け出しでデビューした)三段目からずっと見てきて、ちょっとずつ大きくなって実感が湧いた。もっと引っ張っていきたい気持ちになったし、相撲界を盛り上げていきたい」と思いを語った。

新大関場所となる夏場所は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により開催が2週間延期となった。25日には高田川親方(元関脇安芸乃島)、十両白鷹山の感染が判明するなど、角界にも感染が広がっている。「ニュースを見たときは協会にも親方、関取衆も感染したんだなと、自分自身も怖いと思った。芸能人もいろんな方々が亡くなっているので、それだけ怖い病気だと改めて思った」。稽古時間以外は、部屋の個室に引きこもる生活が続いているという。

前日26日には8月に東北から九州の21府県で分散開催される予定だった全国高校総合体育大会(インターハイ)の中止が決まった。富山商高で高校相撲を経験している朝乃山は、現役高校生に向けて「気持ちを切らさないでほしい」と訴える。「インターハイ中止は残念だけど国体はまだ分からないし、それに向けてまた気持ちを整えて頑張ってほしい。不完全燃焼なら大学に進んで自分のやることをやってほしい。プラス思考に考えて前に前に進んでほしい」とエールを送った。

都内の部屋では四股やすり足などの基礎運動と筋トレで体づくりに励んでいる。力士同士の接触を避けるため、協会からぶつかり稽古や申し合いなどの自粛を求められており、稽古の工夫を余儀なくされているが「自分だけじゃなく力士みんな我慢してやっている」と強調。得意の右四つを強化するため「立ち合いの1歩目、2歩目、立ち合いを大事に稽古している」。晴れの舞台となる新大関場所に向けて、26歳の横綱候補は自身の課題と向き合いながら調整を進めている。