日本相撲協会が大相撲夏場所(5月24日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した27日、新入幕昇進を果たした東前頭15枚目琴勝峰(20=佐渡ケ嶽)が報道陣の電話取材に応じ「気持ちが引き締まった。一番上の段までくることができた。でもまだまだ上はあるので、向上心を持っていきたい」と意気込みを語った。

関取最年少の20歳は、十両を所要3場所で通過した。東十両6枚目だった3月の春場所では12勝3敗で初の十両優勝。「押すにしろ四つに組むにしろ、自分からどんどん攻めていくというのはだんだんとできるようになった」と、自身の中で成長を実感している。191センチ、165キロの大器の躍進に、師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)も「入門したときから体には恵まれていた。ただ、素質だけでは相撲は取れない。そこで一生懸命やってきたことが、けがもなく、こうやっていい結果につながってきたんじゃないかと思います」と目を細めた。

恵まれた環境も成長の一因だ。大関経験者の琴奨菊ら部屋には琴勝峰を含めて5人の幕内力士が在籍。「いろんなタイプの人がいて、内容のある稽古ができている。兄弟子をよく見て勉強させてもらっている」。特に意識しているのが、埼玉栄高の2学年先輩で佐渡ケ嶽親方の長男でもある西前頭13枚目琴ノ若(22)だ。新入幕だった春場所で勝ち越した兄弟子の存在について「すごく刺激になっている。どんどん先に進んでいくので、必死に追いかけたい」とライバル心を隠さなかった。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、夏場所は開催が2週間延期となったが「準備期間が増えたと考えている。もっと力をつけるチャンスだと思って」とさらなる成長を期す。現在は千葉・松戸市の部屋で稽古に打ち込み、外出ができないぶんストレッチなどの時間に費やしているという。18年初場所の序ノ口デビューから負け越しはたったの1度というホープは「とりあえず勝ち越すことを目指したい」と、新入幕場所の目標を掲げた。【佐藤礼征】