日本相撲協会が新型コロナウイルス感染拡大の影響により、24日に初日を予定していた大相撲夏場所(東京・両国国技館)を中止する方向で調整していることが3日、関係者の話で分かった。角界ではこれまでに、高田川親方(元関脇安芸乃島)や十両白鷹山ら計7人の感染者が判明。政府発令の6日期限の緊急事態宣言が、31日まで延長される方向となったこともあり実施は厳しい状況となった。本場所が中止となれば、八百長問題の影響を受けた11年春場所以来、9年ぶり3度目となる。

◆過去の場所の変則開催と中止 終戦直前の1945年夏場所は当初5月に予定されていたが、空襲のため延期。6月に一般に非公開とし、旧両国国技館に傷痍(しょうい)軍人や関係者らを招待して7日間実施した。46年は被災した国技館の修復が遅れ、夏場所を中止。近年では2011年2月に発覚した八百長問題で、実態解明などを優先させるため、同年春場所実施を断念し、65年ぶりに本場所を中止した。同年夏場所も興行ではなく技量審査場所として無料公開で開催した。