日本相撲協会は4日、2週間延期して24日に初日を予定していた大相撲夏場所(東京・両国国技館)の中止を発表した。

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)が電話取材に応じた。

-夏場所中止の判断に至った理由は

芝田山広報部長(以下「芝田山」) 緊急事態宣言が延長されたということと、世の中が企業も経済もストップしている状況で、開催することは難しいということ。

-中止の決断はどのような形で行われたか

芝田山 執行部で会議をした上で本日、持ち回り理事会ということで決議を確認したということです。

-持ち回り理事会は電話で行ったか

芝田山 そうですね。

-親方衆や力士にはどのように伝えたか

芝田山 一斉メールをした。各部屋の師匠から各部屋に所属している者に必ず伝えてほしいという連絡を送ったところです。

-次の7月場所は東京に変更された。その理由は

芝田山 名古屋場所については、緊急事態宣言が今月いっぱいにしても、東京から大人数で名古屋に700人、800人くらいの大人数が移動することに対して、非常に危険だということ。地域の移動には非常に敏感になっている。長期滞在を避けるということで、理事長が言うように特別開催として名古屋ではなく、2週間遅らせた時期、7月19日から8月2日まで東京で行うことにした。どんな状況になっているか分かりませんので、私たち協会としては、両国国技館での開催は無観客の開催を目指すということですね。

-開催は緊急事態宣言の今後の動向をみていくということか

芝田山 1カ月半くらいある。そういうことで、そのときの状況を見ていくしかないと思う。

-番付については

芝田山 番付は5月場所の番付は、相撲を取っているわけではないので、上がり下がりはないので、そのまま移行する予定です。今場所は開催されないから、番付はそのまま。

-新弟子検査は

芝田山 新弟子検査は予定した日程から延期になります。次の開催される場所の前にということになる。

-(夏場所の新弟子検査は)5月12日の予定だったが、新たな日程を再調整するということか

芝田山 そうですね。延期になります。入門者にとっては残念だが仕方ない。

-広報部長の所感として、大事な本場所がなくなる決断について

芝田山 これはもう、いまだかつてなかったわけですよね。この社会で40年以上やっていて、人生の中でもこんなことが起きるとは思ってもみなかったわけだし、病気がまん延することで何もかもが、むしばまれる状況になる。その中でどうするかというと、皆さんと一緒に予防策の徹底をして、辛抱するしかない。私たちも苦渋の決断で、きょう5月場所の中止を発表させていただいた。この世の中の状況を見ていかないといけない。次の場所に向けてしっかりと、力士も協会も準備を進めていくということですね。特にこれはお伝えしておきたいのは、相撲協会から高田川さん(高田川親方=元関脇安芸乃島)以下、数名の感染者が出たわけですけれども、あくまでも感染者が出たから5月場所が中止になったということではないということです。それは皆さんに強くお伝えしてほしい。あくまでも政府の緊急事態宣言が延長されたということを受けて中止に至ったということです。協会内から感染者が数名、出たから中止したということではない。感染者は、1人は入院して治療しているが他の人たちは退院している。

-高田川親方ら退院者の状況は変わったところはないか

芝田山 何もありません。

-入院している力士の退院報告もないか

芝田山 そうですね。