日本相撲協会は4日、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2週間延期して24日に初日を予定していた大相撲夏場所(東京・両国国技館)の中止を発表した。

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)が電話取材に応じた。

-力士の今後の稽古については

芝田山広報部長(以下「芝田山」) 稽古については、今後も引き続き、出稽古は禁止。接触する稽古は、原則として自粛を推奨しますが、力士たちの体調を十分に観察した上で、師匠の判断において接触する稽古を取り入れていただいても結構ですということです。

-理事長からの通達を出す予定があるか

芝田山 各師匠に、この通達を郵送で送る予定になっています。今まで協会が通達している、感染予防策の強化と健康チェックを各部屋の師匠に郵送する。感染予防のための実施事項を確認のために送るということです。

以下、八角理事長から各部屋の師匠への通達文(電話での聞き取りとして)。

「本日、政府から緊急事態宣言を5月末までに延長する旨の発令がなされたことを鑑み、各部屋においては引き続き体温管理、体調管理、感染予防策の徹底をお願い致します。日常の稽古は引き続き出稽古は禁止とし、接触する稽古は原則として自粛を推奨しますが、力士たちの体調を十分に観察した上で、師匠の判断において接触する稽古を取り入れていただいても結構です。なお、別紙の通り、5月場所を中止することと、7月場所を特別開催として国技館での無観客開催を目指すこと、秋巡業を中止することの3点を発表しております。外出の自粛などの措置が長期にわたり、師匠は管理監督が大変かと思いますが、7月場所が開催できますよう引き続きの対応をお願いします」。

芝田山 また、感染症予防の先生から、感染症予防のための実施事項ということでいただいている(読み上げと説明を交えて)。

芝田山 朝晩、体温の測定とともにチェックする。少しでも症状のあるときは稽古をさせず、症状がなくなった翌々日以降に稽古を再開させること。大部屋では終日マスクを装着すること。食事はできる限り、個々に盛り分けた容器で取ること。個別に盛りつけて食べなさいと。食事中は極力会話をしないこと。稽古場は十分に換気をすること。できるだけ開けっ放しにしてやってくださいということですね。基礎訓練の際に、可能であればマスクを着用すること。これは感染症の先生からのお話しですけれども。あくまでも可能であればということだ。各人のマスクは名前を書いて、外すときはジップロックに入れておくということ。要するに自分の使ったマスクは外したときにはジップロックに入れて使ってくださいということ。

チェック項目というのがある。まず味がしない。においがしない。通常にない体のだるさがある。せきが出る。たんが出る。呼吸が苦しい感じがある。鼻水が出る。鼻づまりがある。喉が痛い。頭痛がする。下痢をしている。吐き気がある、または嘔吐(おうと)したとか。その他。上記症状がある場合は稽古を休ませること、2日以上症状が続く場合は、まずは鏡山危機管理部長に報告するということ。各部屋の師匠が健康状態を見極めながら稽古をさせていくということです。