現役力士の死を無にはしない-。日本相撲協会は13日、希望する力士ら協会員全員を対象に、新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査の実施を発表した。力士約700人、親方衆は約100人で、行司や呼び出しら裏方などを合わせ最大で約1000人規模の集団検査となる。

電話取材に応じた芝田山広報部長(元横綱大乃国)によれば、既に人数分の書類を各部屋に送っており、希望者の書類が返送後に決まる実施時期は週明けをめどに調整中という。検査は専門機関に依頼。各部屋で医師らが血液採取する。

検査終了まで1カ月ほどを要する見込みだが、感染歴の有無で感染状況を把握することで、今後の感染対策に活用できる。無観客開催を目指す7月場所(19日初日、両国国技館)に向けた対策を講じる一助にもなり同広報部長も「判別が出来ることが大きなメリット。団体生活や稽古を行う上での不安を取り除くことができる」と、力士らの精神的負担の軽減に期待する。

検査前には毎日の検温、発熱や倦怠(けんたい)感の有無など体調確認も行う。同部長によれば抗体検査では無感染、感染中、感染後治癒が判明されるというが、検査前の体調確認と照らし合わせた上で、検査結果によっては「状況を踏まえ専門家の先生からご指摘をいただく」とPCR検査実施の可能性にも言及した。これまでの日本相撲協会の感染防止対策について同部長は「対策はずっと立てていて抗体検査もその1つ。主事が中心となって、理事長の意見も聞いて皆さんにお伝えしている」と語った。