大相撲の西前頭2枚目阿武咲(24=阿武松)が4日、24歳の誕生日を迎えた。千葉・習志野市内の部屋での稽古後、代表取材に応じ「16、17で(相撲界に)入って、これからの相撲人生は長いなと思っていたが、一瞬で24になっていつまでも若くないと思った。23と24では(年齢の)重みが違う。危機感を持たないと」と自らに言い聞かせた。

17年九州場所に21歳の若さで新三役となったが、右膝の負傷で一時は十両に転落。23歳の1年は、幕内下位で戦う場所も多く「苦しかった。けがをしてからなかなか勝てないし、思うような相撲を取れなかった」と振り返った。

現状を打破するため、尊敬する元横綱から助言を求めた。初場所後、2月の押尾川親方(元関脇豪風)の断髪式で、荒磯親方(元横綱稀勢の里)に教えを請うた。

「相撲の技術、気持ちの臨み方の面で自分がいま思っていることを確認させていただいた」

直後の3月に行われた春場所では、優勝した横綱白鵬から金星を挙げ、9勝6敗で殊勲賞を獲得。「23歳終わりがけで少しずつ形になってきた。悔しい部分もあったが、プラスになっている部分もあると感じられた」と、手応えを感じた。

7月場所(19日初日、東京・両国国技館)では、小結だった18年初場所以来の上位総当たりとなる。成績によっては返り三役も見えてくるが「細かいことは考えず、自分と向き合ってやるべきことをやれればいい」と冷静に話した。

約4カ月ぶりの本場所へ、徐々に調整のペースを上げている。この日は若い衆を相手に約30番。「今のところ順調にこれているし、感覚はものすごく良くなっている」。相撲を取れない期間は、自重トレーニングに重点的に軸に取り組んできた。

「軸を意識してやった。相撲は一瞬で勝負が決まってしまうが、(それに生かす)爆発力を鍛えるためにウエートトレーニングにだけ頼ってしまうと、(体の)軸が安定せず、その効果が(十分に)出ないと思う。自分の力を100%出せるようにするための体づくりをやっていました」

7月場所で成果を発揮する。【佐藤礼征】