大相撲の西前頭13枚目琴ノ若(22=佐渡ケ嶽)が充実の“おうち時間”を経て、7月場所(19日初日、東京・両国国技館)に臨む。11日、代表取材に応じ「動かせるときはしっかり動かして、休めるときにしっかり治療して。うまくバランスを取ってきたので、体重が落ちたとかあまりなく、継続して維持できている」とここまでの調整を振り返った。

約4カ月間の自粛期間。部屋の若い衆を気遣い、5月上旬に1万円程度のビニールプールを購入し、屋上に設置した。「ちょうど自粛期間だったので、何かできることはないかと思って買いました。みんなそろってリラックスできるかなと。アイシング的な目的もある。稽古して体に熱を持ってしまうと、お風呂の水だけじゃ取れないこともある。みんなで入りながら大きいのに入れますし、体もケアもできる」。力士でも最大6人程度入れる大きさ。「みんな喜んで毎日のように使っていました」。兄弟子の前頭琴恵光や琴勇輝も使用していたという。

父で師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)が提案して、屋上でバーベキューをすることもあった。こちらは大関経験者の琴奨菊ら全員が参加。師匠が焼いてくれるという肉を食べて、力をつけてきた。

外出を自粛する期間で、自然と過去の取組を見直す時間も増えた。「自分の相撲も含めて確認が大事だと思ったので見返していた」。祖父の元横綱琴桜や、父の現役時代の動画も研究した。祖父は激しい押し相撲で“猛牛”と呼ばれ「ああいう出足というか、相撲のタイプが違っても見習う、吸収できるところがあると思う。そういうのをどんどん吸収していきたい」と貪欲に語った。

7月場所に向けて、この日は琴恵光や前頭琴勝峰、幕下数人と申し合い稽古を行った。「(番数は)15か20番。体はしっかり相撲を取らない間もしっかりと動かしてやっていたので、そこまで違和感はない。いい感じでいっている」。新入幕だった春場所は9勝6敗で勝ち越し。父からは「いい稽古をしたとき、いい相撲を取ったときにしっかりそれを自分のものにできるような稽古をしろ」と言葉をもらった。新入幕から2場所連続の勝ち越しへ「しっかり体を準備してやっているので、まずは勝ち越しを目指して、その後まだその上があるので、1勝でも多く勝てるように頑張りたい」と意気込んだ。【佐藤礼征】