関脇正代(28=時津風)が照ノ富士(伊勢ヶ浜)を寄り切り、千秋楽に初優勝の可能性をつないだ。

「もろ差しを狙って、立ち合い負けないように」。思い切り踏み込んでもろ差し。左上手を許してもかまわず前に出て、絶妙のタイミングで引き、照ノ富士の左上手を切る。バランスを崩した相手を逃さず、再びもろ差し、最後は土俵下まで吹き飛ばした。「うれしかったですね」。勝った瞬間は右拳を振り上げたほど、感情を爆発させた。

千秋楽は結びで大関朝乃山戦。その前に照ノ富士が敗れれば、優勝決定戦へ生き残りをかける一番となる。「(優勝を)意識すれば硬くなる。頭の片隅に置いておくぐらいで。千秋楽なんで、楽しめればいいかなと思います」。追う立場として、気持ちを楽に最後の勝負に臨む。