新入幕の東前頭14枚目翔猿(とびざる、28=追手風)が、日を追うごとに存在感を放っている。立ち合いの当たりが強烈な千代大龍と何度も押し合い、潜ってもろ差し。右に開きながら下手出し投げを決めて、6勝1敗とした。

「前に前に攻めていこうと思った。(もろ差しは)たまたま入った。良かったです。立ち合い当たられてもどんどん出て行こうと思っていた」

積極的な攻めで、大関貴景勝、平幕の琴勝峰と並んでトップを守った。

ここ数場所は169センチの炎鵬が小兵力士として注目を集めていたが、翔猿も175センチ、131キロと幕内では体格が一回り小さい。翔猿自身も炎鵬を意識しており、場所前から「お客さんを楽しませたい。会場を盛り上げたい」と意気込んでいる。

「タオルとかあると人気出てきたかなと思う。まだまだこれから名前を覚えてもらえるように頑張りたい」

新入幕の場所ながら、観客が掲げる力士のしこ名が書かれたタオルも確認できている余裕ぶり。「まだまだ前半戦なので。これから。(優勝争いは)全然意識していない」と気を引き締めた。【佐藤礼征】