関脇正代(28=時津風)が平幕の宝富士を寄り切りで下して10勝目を挙げた。7月場所に続く2桁で、11月場所の大関とりへ足固め。2敗を守り、大関貴景勝、新入幕翔猿とトップを並走。大関とりに挑む11月場所に、弾みをつける初優勝へと突き進む。

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正代は立ち合いすぐに左を差して、ベテラン宝富士に何もさせずに寄り切った。関脇で11勝した7月場所に続く2桁白星で、11月場所での大関とりへの足固めができた。「こんなに早く2桁勝てるとは想像できなかった。いい流れだと思う」と手応えを口にした。

それでも「あと3日ある。集中を切らせないようにする」と引き締めるのは、優勝争いでトップに並んでいるため。昨年九州場所と今年の初場所は、優勝次点とあと1歩届かなかった。待望の初優勝に向けて「今は不思議と意識せずにいけている」と自然体で臨む。

今場所は取組当日まで、対戦相手を見ないようにしている。「初日から見ないようにしていい流れがきている。自分の相撲を取り切ることに集中したい」。目の前の一番に集中するためだ。13日目は貴景勝と2敗同士の対戦。無心で挑み、初賜杯へと近づきたい。