大相撲秋場所で熊本出身力士で初となる優勝を飾り、場所後に大関昇進した正代(28=時津風)が8日、生まれ故郷の熊本・宇土市に凱旋(がいせん)帰郷した。

午前は宇土市役所を訪問。出迎えた元松茂樹市長は「熊本県民が災害で沈み込んでいた中、力強い相撲で元気と勇気を与えてくれた」。正代は「地元のみなさんに少しでも恩返しできたかと思う。今まで以上に厳しい環境下となるが、期待に応えられるよう頑張りたいと思います」と応じた。

当初は凱旋パレードなども計画していたが、新型コロナウイルスの影響ですべての祝賀行事を見合わせた。この日の訪問も、本来は市民全体で迎えたいところを訪問日程はすべてシークレットで行われた。

正代は今年春場所前以来の帰郷となった。「家のベッドがこんなに柔らかいのかと。すごく安心できた」。新大関で迎える11月場所(11月8日初日、東京・両国国技館)に向けて「まだ大関として1場所も迎えていない。新大関として存在感を示したい」と意欲を示した。【実藤健一】