大相撲の横綱白鵬(35=宮城野)が16日、東京・両国国技館の相撲教習所内で行われた合同稽古に参加した。この日から始まった合同稽古には、白鵬、大関貴景勝、大関正代、関脇御嶽海、平幕の霧馬山、碧山、逸ノ城、十両の勢、錦木が参加。白鵬は相撲は取らずに、勢相手に立ち合いの確認をし、ぶつかり稽古では新大関の正代に胸を出した。

新型コロナウイルスの影響により、3月の春場所以降は出稽古禁止が続き、約7カ月ぶりに他の部屋の力士と肌を合わせる場となった。稽古を終えた白鵬は「久しぶりですね。気持ちよかった。本当にありがたい」と充実した表情を浮かべた。秋場所は8月に行った右膝手術などの影響で全休。「私自身も手術、けがから帰ってきて、ほぼ2カ月半ぶりにやることができてよかった。気分がいいね」と話した。

右膝の状態については「ちょっと焦りがあってやってしまって実は腫れ上がって不安になったけど、ここにきてそういうのがない。ギリギリまで(合同稽古に)行けるかどうか体と相談してやって間に合ったなという感じ」と話した。新大関の正代に胸を出し「勢いあるから、こっちも勢いもらわないと」と笑顔で話した。

秋場所後に行われた横綱審議委員会の定例会では、矢野弘典委員長が「断続的に休場が続いている。横審の内規に基づいた処分をするかどうかまでの踏み込んだ意見も出た。横綱の自覚を注視していくことになった。来場所の様子を見て、方向を決めていく」と話すなど、厳しい意見が出た。それに対して白鵬は「長年やってきたわけだから、30を超えてどうしてもケガは増えてしまう。古傷が悪くなってしまう。今回も重ね重ねです。古傷、新しいケガ。とにかく治して務めたいという気持ちはありますし、それに応えていきたいと思う。ケガから帰ってきた時にしっかり成績、結果を出している。そのへんももう少し分かってもらいたいなと思います」と話した。

今回の合同稽古は、22日まで行われる予定となっている。「力士代表だから顔を出すというのが、出稽古がないという状態が続いて番付上の人が来たら引き締まりますから。そういう意味では下を育てる、引っ張ってあげるのも1つの役目だと思います」と話した。