新大関正代(28=時津風)が「至誠一貫」で自然体を貫く。大相撲11月場所(11月8日初日、東京・両国国技館)の新番付が26日、発表された。リモートでの会見に臨んだ正代は「大関に上がった感じ」と新番付表で実感。その上で大関の特権、車での場所入りはせず“徒歩通勤”を続ける意向を改めて示した。大関になってもおごることなく、横綱を目指す。

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大関になっても「正代」は変えない。その決意を“徒歩通勤”で示す。

大関になれば、両国国技館の地下駐車場へ車で乗り入れできる。しかし、正代は「部屋から距離が近いんで。今までも雨の時以外は歩いてきた。それは続けていこうと思う」。確かに部屋から国技館までは、徒歩で10分程度の距離。続けるには意味があり、「歩きながら体がほぐれるというか、アップになる。ルーティンではないが(今後も)やっていこうと。(不都合があれば)場所中に修正すればいいと思っている」。

通常なら「一年納めの九州場所」だが、新型コロナウイルスの影響で準ご当地場所への凱旋(がいせん)はかなわない。しかし、正代には「納めの場所」としても栄誉がかかる。今年ここまで45勝はトップで、初の年間最多勝にも挑む。「けがなく15日間とりきって、結果的にチャンスがあれば。(今年の)最後の場所なんで存在感を今まで以上に示せたら」と意気込んだ。【実藤健一】