16場所ぶりに関取に復帰した東十両13枚目の宇良(28=木瀬)が、居反りの大技で旭秀鵬(友綱)を下し、3勝2敗と白星を先行させた。

十両以上では93年初場所12日目に十両の智ノ花(のち元小結智乃花)が花ノ国に決めて以来、約27年ぶりの珍手となる。

では、27年前は? 1993年(平5)1月22日付、大相撲初場所12日目を報じた日刊スポーツ紙面から、一部を復刻版で特別にお届けする。

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智ノ花(28=立浪)が、大技をさく裂させた。右差し、低い姿勢で花ノ国の右わきに頭をねじ込む。右下手をひねりながら、頭を後ろにそらす居反りだ。1964年(昭39)5月場所以来、29年ぶりの珍手。「昭和39年以来ですか、自分が生まれた年ですね」と笑顔が弾んだ。

「上体が低く、必死だった。上からのしかかって圧力をかけてこられたから、苦しかったですよ」と振り返る。白星に笑顔を見せるが、決まり手には執着しない。「アマ時代にも居反りは何回かやったことはある。一瞬を力いっぱいやった技が、たまたま居反りだったというだけ。一勝には変わりないですよ」と淡々としていた。