幕尻の東前頭17枚目志摩ノ海が、2敗の竜電を退けて1敗を守った。低い立ち合いでぶつかり、頭を相手の胸付近につけながらはず押しやおっつけで攻めた。竜電の攻めも我慢し、左下手を取ると鮮やかな下手出し投げを決めた。
同じく1敗の大関貴景勝は、3敗の宝富士を下した。低く激しくぶつかって宝富士の上体を起こすと、強烈な突き押しで一気に突き出した。13日目は結びの一番で、貴景勝と志摩ノ海の直接対決が組まれた。
小結照ノ富士は、御嶽海を破って2敗をキープ。立ち合いすぐに左でまわしを取り、左を引きながら右を差して一気に寄り切った。目標とする大関返り咲きに向けて、起点となる2桁勝利をあげた。今年2度目の優勝に向けて、貴景勝と志摩ノ海を追う。
再入幕の東前頭14枚目千代の国は、妙義龍を破って勝ち越し。幕内での勝ち越しは、19年初場所以来となった。新入幕だった秋場所で優勝争いを演じた西前頭4枚目の翔猿は、若隆景に負けて負け越しとなった。
12日目の取組模様を写真で振り返ります。
幕内
千代ノ皇 | ● | 上手出し投げ | ○ | 琴ノ若 |
琴ノ若「(19日が23歳の誕生日)誕生日はあまり考えずにいきました。しっかり踏み込めて、自分から攻められたんでよかったと思います」
逸ノ城 | ○ | 突き倒し | ● | 炎鵬 |
逸ノ城「下がらないように右を差して、差せなくても相手をしっかり見て相撲を取ろうと思った。我慢できたと思います。残りもしっかりと勝ちたい。引かないように、投げないように我慢して相撲を取りたい」
炎鵬「思い切りいくことだけを心がけていた。迷いというより自分が弱いだけ。思い切って1日1番を取りきりたいと思います」
竜電 | ● | 出し投げ | ○ | 志摩ノ海 |
志摩ノ海「向こうは左差しを狙ってきていた。差し負けないように頑張りました」
千代翔馬 | ● | 押し出し | ○ | 明生 |
明生「集中していくだけでした。攻める意識でいた。よかったと思う」
徳勝龍 | ○ | 押し出し | ● | 千代大龍 |
千代大龍「張ってくるのは分かっていた。ずらして当たろうと思っていたら、まわしをとっていた。(7勝で足踏みに)ここから負け越しが一番みっともないんで頑張りたい」
碧山 | ● | 押し出し | ○ | 豊山 |
豊山「はたきだけ気をつけて、最後も足が出てくれた。今日はよかったと思う」
豊昇龍 | ○ | 浴せ倒し | ● | 照強 |
豊昇龍「相手(照強)はいろいろしてくるからどうやってくるかなと思ったけど、自分が先手で落ち着いて取れた。(新十両昇進確実の同学年の納谷について)相撲ではいいライバル、普段はいい友達。早く追いついて来てほしい。対戦するのを楽しみにしてます」
天空海 | ○ | 寄り倒し | ● | 遠藤 |
天空海「のけ反ったけど、落ち着いて右のはずというか右を使えた。止まったりしてさばかれたら相手のペースになると思った」
妙義龍 | ● | はたき込み | ○ | 千代の国 |
千代の国「(勝ち越しに)素直にうれしいです。(王手から足踏み)なかなか自分の相撲をとらせてもらえなかったんで悔しかった」
北勝富士 | ○ | 寄り切り | ● | 栃ノ心 |
北勝富士「栃ノ心関相手に組みにいこうとは思わない。我慢して自分のかたちにつくれた。疲労がないといったらウソになる。毎日しっかり2回ケアしている。頑張って持ってくれている」
栃ノ心「右は入ったんですけどね。左上手とれなくて巻きかえにいったのがよくなかった。もっと我慢すればよかった」
琴勝峰 | ○ | はたき込み | ● | 隠岐の海 |
琴勝峰「いつも通り立ち合いしっかり当たろうと思ったけど、踏み込まれてしまって。本当はもっと自分から圧力をかけて前に出たい。(11日目に大関戦を経験して)結びで取れたのはいいと思う」
翔猿 | ● | 寄り倒し | ○ | 若隆景 |
若隆景「先に攻められたのがよかったと思う。1日1番、集中してやっていくだけです」
大栄翔 | ● | はたき込み | ○ | 高安 |
高安「今日は突っ張っていこうと思った。だいぶ土俵にも馴れて、いい感じで連日とれています」
御嶽海 | ● | 寄り切り | ○ | 照ノ富士 |
照ノ富士「まわしがとれたんで。(目標の2桁)ここからの1番1番が大事。積み重ねていきたい」
玉鷲 | ● | 寄り切り | ○ | 隆の勝 |
隆の勝「自分らしい相撲がとれたかなと思う。立ち合いだけは負けないよう、自分からいったのがよかったと思う」
貴景勝 | ○ | 押し出し | ● | 宝富士 |
宝富士「力、伝わらなかったですね。ダメでした」