大相撲初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)をかど番で迎える2大関が11月30日、途中休場した11月場所後、初めて取材に応じ、雪辱を誓った。朝乃山(26=高砂)は負傷した右肩の回復を強調。先代師匠の定年に伴い新体制となる部屋から再起を図る。正代(29=時津風)は左足首への負荷を抑えながら調整。慎重な姿勢を示しつつ、気負わずにかど番脱出を目指す。

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アマチュア時代から大きなけがの経験がない正代は「(回復が)順調なのか分からない」と、不安が入り交じった心境を吐露した。この日はテーピングを施して左足首を固め、都内の部屋でじっくりと四股、すり足を行った。「普通に四股を踏む分だったら痛みは感じない。足の位置を変えずに体をひねったりして、足首がねじれる感じがすると、ちょっと痛みが出る」。18日から両国国技館内の相撲教習所で始まる合同稽古も「おとなしくしときます」と不参加の方向だ。

14年春場所の初土俵以来初めての休場が新大関場所となったが、経験を前向きにとらえる。休場中はテレビで幕内の取組を観戦。対戦相手を入念に研究するタイプではないだけに「いい経験になった」と振り返った。3大関の1人、貴景勝が先陣を切るように優勝した。「いい刺激をもらった。頑張らなきゃいけない」と、燃えるものがある。

大関2場所目にしてかど番脱出の重圧がのし掛かるが、気持ちを波立たせない。「自分の中では、大関に上がれたことが信じられないぐらいの出来事。胸を張って土俵に上がれたらいい」と意気込んだ。【佐藤礼征】