大相撲の佐渡ケ嶽部屋に所属し新型コロナウイルスへの恐怖心を理由に引退した元三段目琴貫鐵の柳原大将氏(22)が10日、元関脇貴闘力のユーチューブチャンネル「貴闘力部屋」に出演し、引退の経緯などを説明した。

13年春場所で初土俵を踏んだ柳原氏は「病気もなく元気な体で相撲業界に入門」したが、入門から約3年後に心臓の手術を受けたことを明かした。基礎疾患がある場合、新型コロナウイルス感染時に重症化する確率が高いとされる。柳原氏は「コロナを怖いと思うか平気だと思うかはその人の価値観だと僕は思っています」とした上で「でも僕はコロナはすごく怖いです。今の僕はコロナになってしまうと大きなリスクのある人間なんだと思います」と話した。

新型コロナへの恐怖心から、10日に初日を迎えた初場所を前に、師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)に休場を申し出たという。休場が認められず柳原氏は同親方に「休場がだめなのでしたら、引退しかないですか」と相談したところ「少し悩んで師匠に言われたのは『そうだな』という言葉でした」と振り返った。

その言葉を受けたときの心境について、柳原氏は「本当にショックで絶望と悔しさと悲しさで本当にいっぱいになりました。今までも助けてほしいときに何もしてもらえないことがたくさんあり、それでも師匠を、この部屋を頼って信じ続けてきました。相撲が取れないこともそうですが、それ以上にこの協会も師匠も誰も助けてくれないんだという現実を改めて突きつけられ、引退を決意しました」と、声を震わせながら説明した。