大関陣でただ1人、正代が踏ん張った。栃ノ心をもろ差しから圧力をかけ続けて押し出し。「立ち合いからもろ差しになれたのと、その後の対応も落ち着いてできた」。通算300勝、節目の白星を飾った。

新大関の11月場所を左足首の負傷で途中休場した。「怖さ、違和感はある」と自身初めての休場で不安を抱えながらも、冷静に初場所を見据えた。「あせりはあったが変に意識しないようにした」。足首に負担をかけることなく、上半身から作り直した。合同稽古も無理を押して参加することなく、独自調整を貫いた。

3場所連続横綱不在、そして最上位の大関陣も厳しい土俵が続く。6日目を終えて全勝、1敗は正代をのぞいて平幕力士と波乱が続く年明けの場所。土俵を締める役目も担うことになった正代は「全体的に足も動いている。この調子で最後までいけたら」と自信もわいてきた。【実藤健一】