<大相撲初場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館
西前頭筆頭大栄翔が、単独首位に立って初優勝に王手をかけた。過去6勝8敗と合口の悪い玉鷲相手に、得意とする強烈な突き押しで勝負。土俵際に追い込むも、玉鷲の押しに引いてしまった。土俵際に追い込まれる形となったが、慌てることなくはたき込みではわせた。自己最多の12勝目を挙げた。
結びの一番前に登場した大関正代は、関脇照ノ富士と白熱した取組を披露。何度も土俵際に追い込み、照ノ富士の体勢を何度も崩したが、あと1歩及ばず。最後は照ノ富士のはたき込みに屈した。3敗に後退し、1差で大栄翔を追いかける展開となった。
大関復帰を目指す照ノ富士は、10勝目を挙げて2場所連続の2桁白星。春場所での大関とりに向けて、足固めを作った。結びの一番では、大関朝乃山が明生を下して10勝目を挙げた。
14日目の熱戦を写真で振り返ります。
大相撲初場所 全取組速報
幕内
朝乃山(10勝4敗) | ○ | 突き落とし | ● | 明生(8勝6敗) |
かど番の朝乃山10勝目「大関の勝ち越しは2ケタ」
- 明生(左)を突き落としで破る朝乃山(撮影・河田真司)
照ノ富士(10勝4敗) | ○ | 叩き込み | ● | 正代(11勝3敗) |
★正代「何度か土俵際でチャンスがあったが、そこで決めきれなかった。最後はスタミナ負けというか、足から崩れてしまった。まだまだ課題はいっぱいある。終わったことなので引きずらないようにできたらいい。(千秋楽は1差)とりあえずあと2番取るくらいの気持ちで、ここで集中を切らさないようにしたい。(優勝を逃した昨年初場所も14日目に幕尻優勝の徳勝龍に黒星)初場所の14日目は鬼門ですね」
正代Vへ1歩後退「チャンスあった」悔しさにじませ
照ノ富士2場所連続2桁白星 驚異的な粘り正代破る
10勝目照ノ富士は来場所大関とり挑戦 審判部見解
照ノ富士の執念白星を理事長賞賛「よく膝がもった」
- 正代(後方)の攻めを耐える照ノ富士(撮影・鈴木正人)
- 正代(右)をはたき込みで破る照ノ富士(撮影・河田真司)
- 照ノ富士に敗れ3敗目を喫し、険しい表情で土俵から引き揚げる正代(撮影・河田真司)
隠岐の海(7勝7敗) | ● | 叩き込み | ○ | 隆の勝(8勝6敗) |
☆隆の勝「落ち着いて回り込めたかなと思う。危なかった。今場所そんなに気持ちが落ちることなく白星が先行できていた。余裕があった。(勝ち越しは)自信になる。うれしく思います」
関脇隆の勝が2場所連続の勝ち越し「自信になる」
- 正代(右)をはたき込みで破る照ノ富士(撮影・河田真司)
- 翠富士(左)を寄りきりで破る遠藤(撮影・鈴木正人)
- 輝(左)を寄り切りで破る高安(撮影・河田真司)
☆大栄翔「今日も立ち合いが良かった。前に出られて良かった。(結果ははたき込みでの勝利だが)前には出られている。流れの中のはたき。そこは自分の中では大丈夫。(優勝争いの重圧)いい感じの緊張感でやれている。その中で取るのは大変なことだけど頑張っていきたい。(千秋楽へ)あした最後なので思い切り自分の相撲を取ることが一番。気持ちを強く持って、自分の相撲を取りきりたい。変にかたくなって負けてしまうことは後悔が残る。取るなら思い切り自分の相撲を取った方が悔いはない」
大栄翔初V王手「自分の相撲」磨いた突き押し貫く
単独トップの大栄翔は「勝負勘良かった」理事長評価
- 玉鷲(手前)をはたき込みで破る大栄翔(撮影・河田真司)
- 玉鷲(右)をはたき込みで破る大栄翔(撮影・鈴木正人)
- 玉鷲をはたき込みで破り、勝ち名乗りを受ける大栄翔(撮影・河田真司)
☆北勝富士「本当に負け越して吹っ切れた。本来の動きができるようになった。しっかり前に圧力をかけて、我慢して我慢して取れた」
- 碧山(左)を押し出しで破る北勝富士(撮影・鈴木正人)
- 宝富士(奥)に寄り切りで敗れる逸ノ城(撮影・河田真司)
志摩ノ海(8勝6敗) | ○ | 寄り切り | ● | 阿武咲(8勝6敗) |
★阿武咲「気持ちでは思い切って先手、先手でいきたかったが、低さ負けですかね」
- 阿武咲(左)を寄り切りで破る志摩ノ海(撮影・河田真司)
- 琴勝峰(奥)をうっちゃりで破る照強(撮影・河田真司)
- 琴勝峰(左)をうっちゃりで破る照強(撮影・河田真司)
- 琴勝峰(左)をうっちゃりで破る照強(撮影・河田真司)
栃ノ心(4勝10敗) | ● | 寄り切り | ○ | 明瀬山(9勝5敗) |
☆明瀬山「胸借りるつもりで思い切り当たりました。相手はずっと幕内張って、優勝経験して、大関にもなったんで格上じゃないですか。ダメだったらしょうがないと目いっぱい、いきました」
- 栃ノ心(右)を寄り切りで破る明瀬山(撮影・河田真司)
☆天空海「圧力がちょっとは伝わったかな。差されても落ち着いて考えて動けた。(千秋楽は幕内に)残るとか残れないは関係なく、いい相撲をとりたい」
- 竜電(左)を小手投げで破る天空海(撮影・河田真司)
- 翔猿(左)を送り出しで破る豊昇龍(撮影・河田真司)
☆霧馬山「(まわし待ったもあり)長かったですね。我慢してとって勝ってよかった」
霧馬山「長かった」まわし待ったかかる持久戦制す
- 霧馬山(右)のまわしが外れ、締め直す行司の式守勘太夫(撮影・河田真司)
- 霧馬山(中央)のまわしを締めあげる式守勘太夫(撮影・鈴木正人)
- 翠富士(右)を押し出しで破る霧馬山(撮影・河田真司)
徳勝龍(3勝11敗) | ○ | 押し出し | ● | 佐田の海(5勝9敗) |
☆徳勝龍「(9連敗から脱出し)調子が悪いなら調子が悪いなりにやらないとダメ。気持ちだけは切れないように、強い気持ちを持ってどんどんやるしかないという感じだった」
- 佐田の海(右)を押し出しで破る徳勝龍(撮影・鈴木正人)
- 妙義龍(左)は寄り切りで琴恵光を破る=(撮影・小沢裕)
☆琴ノ若「休まず動いたのがよかった。(2桁10勝目は)一番一番しっかり力を出し切ることだけを考えてやっている。その中でしっかり体が動いたのが、少しずつつながったのかなと思う」
★豊山「止まったところが全てだった。止まる前に勝負を決めたかった。あと一番なので全部出し切って終わりたいと思う」
- 豊山(左)を押し倒しで破る琴ノ若(撮影・河田真司)
十両
宇良アクロバティック10勝目、万歳状態から逆襲
- 宇良(左)は居反り狙いのような体勢で東龍の下に潜り込む(撮影・小沢裕)
- 東龍(左)に居反りを仕掛ける宇良(撮影・鈴木正人)
- 東龍(奥)を攻める宇良(撮影・河田真司)
- 東龍(左)を押し出しで破る宇良(撮影・河田真司)