大関正代(29=時津風)が優勝争いから後退した。照ノ富士にはたき込まれて3敗目。「何度か土俵際でチャンスがあった。そこで決められなかったのが一番悔しい」と顔中に悔しさをにじませた。

激しい攻防だった。立ち合い、引いた正代だがうまく体を回してもろ差しになって攻めた。右はたてみつをとって一気に寄り立てるが、照ノ富士は強引な小手投げでふりほどく。さらに正代は一瞬、後ろ向きにさせる好機を作ったが、そこも逃して最後は足も流れてはたき込まれた。「スタミナ負けというか、足から崩れたんで。まだまだ課題ありますね」と言った。

先に大栄翔が2敗を守った後の土俵。正代は「あ、勝ったなぐらいで」と言ったが、西の花道でもすれ違い、意識とプレッシャーはあったはず。「終わったことなんで、なるべく引きずらないようにできたらと思う。ここで集中を切らさないようにしたい。(千秋楽は)いい相撲で締めたいですね」。

1年前の初場所、14日目に優勝を争った徳勝龍に敗れ、賜杯を逃している。「初場所の14日目は鬼門ですね。これから気をつけないといけないですね」。冷静につむぐ言葉にも、悔しさがにじんだ。

▽八角理事長(元横綱北勝海) 正代も相撲は悪くなかったが照ノ富士の執念でしょう。出ないといけないところで辛抱できずに引いてまった。優勝争いはまだ1日ある。

▽幕内後半戦の錦戸審判長(元関脇水戸泉) 正代は胸を合わすのを嫌っていた。バタバタしていた。