2敗で単独トップに立っていた平幕の大栄翔(27=追手風)が、隠岐の海(35=八角)を突き出して初優勝を遂げた。これで6年連続で初場所は初優勝者を輩出。また昨年初場所から、6場所連続で優勝力士の顔触れが変わるという、引き続き戦国時代真っただ中を象徴する大栄翔の優勝でもあった。

協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「やっぱり勢いがあった。躍動感というかね。昨日から(前半戦の勢いに)戻った。その前は動きに、ぎこちなさもあったけど、昨日から開き直ったのか、今日も立ち合いが良かった」と評価。この日の相手は愛弟子で、立ち合いの変化など小細工のない隠岐の海だったことには「(隠岐の海は)自分も勝ち越しがかかっていた一番で真っすぐに行った。勝負も大事だけど、この姿勢も大事」とほめた。

15日間の大栄翔の総評については「(初日から)3大関に全勝して、そのへんでホッとしないで連勝して勢いに乗った。いい立ち合いの感覚のまま、その立ち合いをすればいい相撲が取れると信じていた。連勝も内容がいい」と優勝力士をたたえた。

今後については「この勢いの相撲を毎場所、取り続けるのは難しい。もっと圧倒するように強くしていくしかない。今場所の集中力を磨くこと。精神的に強くなるには稽古しかない」と、さらなる精進を期待した。