大相撲初場所中にマージャン店に出入りするなど、日本相撲協会作成の新型コロナウイルス対策のガイドラインに違反した時津風親方(47=元前頭時津海)が、親しい知人らにマージャンに興じていたことを認め「クビになることを覚悟している」と打ち明けたことが28日、分かった。日本相撲協会は同日に東京・両国国技館で理事会を開いたが、処分は決めなかった。また理事会では、3月14日初日の春場所の会場をエディオンアリーナ大阪から両国国技館に変更することを決めた。

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土俵際に立たされている覚悟があるようだ。時津風親方の知人らによると「本人は落ち込んでいてクビになることを覚悟している。(理事長の)八角親方と仲がいいそうだけど、コンプライアンス委員会が入るからクビは免れないのではないか」と周囲に打ち明けているという。27日に日刊スポーツの電話取材に応じた時津風親方は「マージャンはしてないよ」と、初場所中の疑惑について一部否定。しかし、知人らにはマージャンを打っていたことを認めたという。

この日に行われた理事会では、同親方の処分は決まらなかった。芝田山広報部長(元横綱大乃国)によると、八角理事長(元横綱北勝海)から初場所開催へのねぎらいの言葉とともに、「1人だけ(規則を)守れなかった者がいる」という話があったという。一部報道の内容を説明するだけにとどめ、処分内容については話し合わず。また、協会が発表した2月1日付の職務分掌には「年寄 時津風 指導普及部」と明記されていた。

今後は、事実関係を調査したコンプライアンス委員会(青沼隆之委員長=弁護士)が、検討した処分案を理事会に答申し、これを受けて理事会が処分を決める。処分は軽い順にけん責、報酬減額、出場停止、業務停止(協会事業への従事を停止)、降格、引退勧告、解雇の7項目。時津風親方は昨年9月、友人と宮城県に旅行してゴルフコンペに参加。ガイドライン違反となり、「委員」から「年寄」への2階級降格処分を協会から科されている。

知人らによると、時津風親方は猛省しつつも「国会議員は外食しているのに何も処分なく、なぜこっちはクビになってしまうのか」とも漏らしているという。とは言え、協会が一丸となって感染対策に細心の注意を払っている最中の規則違反。厳罰は免れない。