1月の大相撲初場所で平幕優勝が出たことに、大関朝乃山(26=高砂)が、あらためて“番付の重み”を口にした。

朝乃山はこの日、新型コロナウイルスの影響を受け例年の大阪開催でなく東京開催になった、春場所(3月14日初日、両国国技館)に向けて稽古を再開。初場所千秋楽以来、8日ぶりにまわしを締めたこの日の稽古始めは、四股、すり足、ぶつかり稽古で汗を流した。初場所は平幕の大栄翔(27=追手風)が13勝2敗で初優勝。初のかど番で臨んだ朝乃山は両横綱不在の中で11勝4敗の“及第点”といえそうな成績だったが、本人の見立ては厳しい。「この番付でやるからには優勝を狙わないといけない。(結果を)残せたと思わないようにしないといけない」と話し、さらに平幕優勝には「番付の意味がなくなる。最高位として出ているので優勝して当たり前と思われる。結果を残さないといけない」と、賜杯をさらわれたことを悔やんだ。

昨年3月の春場所後に大関昇進を決めてから1年。近大出身で第2の故郷ともいえる、その縁浅からぬ大阪での春場所が、今年は見送られた。「(大阪で)やりたかった。残念です」と話しつつ「緊急事態宣言も出たし仕方ない。その分、国技館でしっかり自分の相撲、姿を見せられればお客さんも喜ぶと思う」と切り替えは出来ている。

コロナ禍での、つかの間の息抜きも、初場所千秋楽翌日から1週間の場所休みでできた。部屋の近場にある店に出向き「ラーメンや定食、焼き肉店とか久しぶりの外食でおいしかった」と、ささやかながら楽しんだ。ビデオや映画、ドラマ鑑賞など、部屋での過ごし方も心得てきた。両横綱が今度こそ、出場するであろう春場所に「優勝争いに残らないといけない。(そこを)目指して行かないといけない」と心技体を整えながら春場所に向かう。