大相撲初場所中にマージャン店に出入りするなど、日本相撲協会作成の新型コロナウイルス対策のガイドラインに違反した時津風親方(47=元前頭時津海)が、弟子らに謝罪していたことが1日、分かった。報道陣の電話取材に応じた弟子の大関正代が明かした。また、協会退職の意向がある時津風親方に代わり、部屋付きの間垣親方(元前頭土佐豊)が時津風部屋を継承する方針であることが判明した。

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報道陣の電話取材に応じた正代は、時津風親方からあった謝罪について説明した。「謝罪込みの詳しい説明というか。今はまだ処分が出てないですよね? だからそれが出るのを持っている状況だ、みたいな感じでしたけど」。時津風親方は初場所後の稽古休み期間中に、大部屋に弟子らを招集。報道があった初場所中の行動についての説明とともに謝罪の言葉を並べ、協会からの何らかの処分を待っている状況にあることを説明したという。

部屋の稽古再開となったこの日、時津風親方は稽古場に姿を現したという。正代は師匠に見守られながら、基礎運動で汗を流したと説明。自身初のかど番ながらも11勝して優勝争いに加わった初場所を、あらためて「かど番を脱出できたのが一番大きい」と振り返った。一方で、同場所中の師匠の違反行為について「とても残念に思う。どんな結果であろうと協会の決定に従って頑張っていけたらなと。協会の方針に従うだけなので」と自身に言い聞かせるように話した。

部屋関係者によると、時津風親方は協会退職の意向を固めている。また、同じ東農大OBで後輩にあたる間垣親方が、時津風部屋を継承する方針で準備を進めているという。時津風親方の処分については、事実関係を調査したコンプライアンス委員会が検討した処分内容を理事会に答申し、これを受けて理事会が処分を決める。今月開催される臨時理事会で、処分が決まる見込みとなっている。

名門部屋の師匠による、コロナ禍での違反行為。正代は「どういう処分でも僕らがやることは変わらない」と前を向こうとする一方、「とりあえず、結果が出ないとですね。どうしたものかと」とポツリ。時津風部屋が大きな転機を迎えようとしている。