大関復帰に挑戦する関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)は上々の滑り出しだった。おっつけが厳しい北勝富士に対し右を差すことができず、得意とは逆の左四つとなったが、慌てることはなかった。左下手で振りまわし、最後は豪快な下手投げ。「(左四つでも)落ち着いて取れている」。強引な相撲になったものの、地力が違った。

三役復帰となった昨年11月場所で13勝、先場所は関脇で11勝を挙げており、大関昇進の目安となる「三役で3場所33勝」まで残り8勝とした。照ノ富士自身も当然、星勘定を意識しており「まずは9番勝って、そこからという感じでやっている。それに1日一番力を出していけたらいい」と意気込む。

先月11日には18年2月に結婚したモンゴル出身のツェグメド・ドルジハンドさん(26)と挙式。大関昇進を果たせば、公私で節目の場所になる。「場所に向け集中したいので」と、場所前は挙式後と番付発表日の1日以外は報道陣の取材に応じず、今場所への覚悟をにじませた。「自分のできることを全部やってきた。あとは精いっぱいやるだけ」。自信を胸に、17年秋場所以来の大関復帰を射止める。【佐藤礼征】

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