8カ月ぶりに本場所の土俵に復帰した横綱白鵬(36=宮城野)と、大関復帰を目指す関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、そろって2連勝。好スタートを切った今場所注目の両力士を、協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は内容面で違う角度から評価した。

照ノ富士は、平幕の若隆景(26=荒汐)に食い付かれながらも、左から引っ張り込んで強引な小手投げで振り、相手の体勢を崩してから押し出した。初日も北勝富士を、強引にも見える下手投げで白星。連日の、強引にも見える内容を、同理事長も「昨日から強引ではあるけど」と前置きして「力の差を感じる。元大関というか」と話し、続けて「体調がいいんじゃないかな。膝の調子がいいから強引に(相撲を)取れる」と、ケガと隣り合わせにある「強引さ」も、現状では照ノ富士の好調さの証し、ととらえた。

一方、白鵬も宝富士(34=伊勢ケ浜)を右四つに組み止め相手が出るところを、タイミングを見計らったように、左からの小手投げで相手を転がした。左上手を取れず、こちらもやや強引に見えた投げに、同理事長は「まだまだ、いい時(の白鵬)には程遠い。体が、まだ動いていない」と指摘。百戦錬磨の大横綱だけに、その“粗さ”が本来の姿には遠い、と見たようだ。それでも「徐々に、勝っていけば乗ってくると思う。勝っていけば動いてくると思う」と、番数をこなせば、本来のリズムを取り戻すと見通した。