今場所好調の2人の三役が、1敗同士で8日目に顔を合わせる。協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)も「いい相撲になればいいですね」と期待した。

まずは小結高安(30=田子ノ浦)が3分近い大相撲の末、宝富士(34=伊勢ケ浜)を上手出し投げで破り2日目から6連勝。土俵中央で左四つ、右上手は取れず逆に宝富士に与える半身の苦しい体勢が続いたが、我慢して勝機をうかがった。2分50秒が過ぎたあたりで、宝富士の上手を切り、逆に自分が右上手を引くや、出し投げで勝負を決めた。「半身になると腰に力が入らないものだが最後に力が出た。体調がいいということだろう」と腰痛で大関から陥落したころからは、体が戻ってきたことを推察。「重さが出ている。ようやく自信が戻りつつあるというところだろう」と続けた。

関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)は小結御嶽海(28=出羽海)と対戦。両前まわしを強烈に引きつけ、少し間を置いて寄り立てた。復活の幕尻優勝を果たした昨年7月場所も、千秋楽で御嶽海を同じように寄り切って優勝を決めた。その時との違いを同じ理事長は「あの時は(まわしを引いて)すぐに出たけど、今日はゆっくり引きつけて出た。相当、落ち着いていた。あれだけ引きつけられたら、相手は何もできないだろう。引きつけているから、ゆっくり出ても問題ない」と、当時との“余裕度”の違いを指摘。照ノ富士の精神的な充実度も評価していた。