日本相撲協会は24日、第71代横綱鶴竜(35=陸奥)の現役引退と、理事会で年寄「鶴竜」襲名を承認したことを発表した。鶴竜は昨年11月場所後に横綱審議委員会(横審)から、引退勧告に次ぐ重さの「注意」を決議されながらも、春場所を休場して5場所連続休場。5月の夏場所で再起を懸けるはずだったが、心身共に限界を迎えた。01年九州場所で初土俵を踏んでから20年。歴代10位の横綱在位41場所、6度優勝の横綱が土俵人生に幕を下ろした。

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鶴竜は、昨年7月場所を右肘靱帯(じんたい)損傷で途中休場した。その後は重度の腰痛に悩まされて翌秋場所から初場所まで全休が続いた。春場所では進退を懸けて臨むことを表明。2月に両国国技館内の相撲教習所で行われた合同稽古では、小結御嶽海と2日で計30番取って全勝するなど、復調をアピールした。しかし、場所前に左足太ももを肉離れして一転、休場。5場所連続休場となる鶴竜に対して、陸奥親方は「辞めるという選択もある」と言ったというが、鶴竜は現役続行の意思を示していた。

横綱在位41場所で史上10位に名を連ねたが、皆勤は22場所にとどまった。昇進後は満足に相撲を取ることが減っていた。横綱での休場率は4割を超えた。在位数で鶴竜より長い9人では、貴乃花の3割4分7厘が最高で、他は1~2割台。金星配給は史上8番目に多い33個だった。