優勝争いで単独トップを走っていた小結高安(30=田子ノ浦)が、小兵の若隆景(26=荒汐)に苦杯をなめ3敗目。3敗で追っていた照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が勝ったため、トップに並ばれてしまった。

今場所再三、粘り強い相撲を見せていた若隆景の、執拗(しつよう)な攻めに対処していたが、最後にやや強引に見える左からの小手投げが相手を呼び込む形となり、体を預けられ寄り倒された。

協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「最後、ちょっと強引だった。それまで我慢していたけど、最後は我慢しきれずに引っ張り込んだ。辛抱負けした」と勝負どころの高安の焦りを察した。これまでは三役や上位相手との対戦で高安らしい相撲を見せていたが「下位に取りこぼしちゃいけない(という気持ち)とか、動きの速い力士だから」と、番付下位と取る難しさも分析。高安の心理面を解き明かすように話した。

残り2日。ここまでは「緊張感はあっただろう」と察した上で「逆に開き直って、あと2日しっかりやろうと。安全に勝つんだ、じゃなく振り出し(に戻ったん)だ、ぐらいの気持ちでいけば」と、高安の心の持ちようを話した。