元幕内で、右膝の大けがから1年4カ月ぶりに復帰の西序二段55枚目・友風(26=尾車)が、最後の7番相撲を白星で飾り、6勝1敗で終えた。武士を鮮やかな肩すかしで裏返し。「今場所、土俵に上がれることがうれしかった。けがなく無事に終わったことが何よりです」とかみしめるように言った。

自己最高位、西前頭3枚目の19年九州場所2日目に右膝を負傷した。当初は歩くことも困難と見られた大けがで4度の手術を乗り越えて復帰にこぎつけた場所だった。「感じたことのない緊張感がずっとあった。(上がる者と落ちてきた者の)境遇も逆なんで。いろいろ勉強になった」。

大腿(だいたい)骨にはボルトが埋まったまま。けが再発への恐怖と戦った日々でもあった。「負担は大きいと思っていたが、思ったより膝も痛くなかった。この足をどう動かして、番付を上げていくか。関取に戻ることが1番の目標だが、初心ですね。一からと思ってやりたい」と誓う。

幕内では照ノ富士、十両でも宇良と大けがから序二段まで落ちてはい上がってきた力士が、今場所も大活躍する。友風も「けがした力士の活躍は目標になります」。復帰への第1段階をクリアし、次のステップへと進む。