日本相撲協会は3日、東京都内で「大相撲の継承発展を考える有識者会議」(山内昌之委員長)の第10回会合を開いた。委員8人のうち歌舞伎役者の松本白鸚氏と俳優の紺野美沙子氏が欠席。王貞治氏(プロ野球ソフトバンク球団会長)ら6委員が、約2時間にわたり意見交換した。昨年12月以来の開催で、次回は今月19日に開催予定。

次回の会合で、最終的に自己規律指針をまとめ、協会に提出する提言書の完成を目指す。リモートによる代表取材に応じた山内委員長によれば、この日は提言書にまとめる内容を議論。提言書は大枠で3つに分けられるという。1つ目は昭和から現在に至るまで力士が多国籍化した現状を踏まえ、どのような方向性に進むべきか。2つ目は、新しい時代の大相撲が継承発展のために、どう進むべきか方向性の施策。3つ目は他のスポーツ諸団体同様のガバナンス、インテグリティを相撲界としてどう考慮するべきか。山内委員長は「今の段階では次回が最後(の会合)とは必ずしも言えないが、次回でおおむね最終的なものが出る形で努力したい」と話し、次回の会合で最終報告書ができれば「八角理事長(元横綱北勝海)にお渡しすることになる。至らなければ、その次(の会合後)にお渡しする」と語った。報告書については、本文は400字詰めで40枚から50枚、各委員の主要発言をまとめたものは400字詰めで各委員4枚ほどになると説明した。