大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)にかど番で臨む大関正代(29=時津風)が13日、都内の部屋で稽古を行い、かど番脱出に向けて自然体を強調した。

この日は相撲は取らずに、すり足などの基礎運動に加えてゴムチューブなどを使用したトレーニングで汗を流した。相撲を取る稽古はすでに開始しているといい「土曜日と昨日に取りました。幕下と10番ずつぐらいですけど」と明かした。

春場所では千秋楽に負け越しが決まった。昨年秋場所後に大関昇進してから、2度目のかど番。1度目のかど番だった初場所は「真っ青って感じだった」という。しかし、今回は「初めてではない。僕も今年30歳で別に若い方ではない。守りに入らないように、元気よくできたらいい」と穏やかに話した。むしろ「かど番の方が強いですよ」とニヤリ。かど番だった初場所では優勝争いを演じるなどし、その時のいいイメージが頭の中にあるようだ。

本来であれば、春場所後に地元・熊本に帰省する予定だったという。「負け越したのでいいかなと。早い段階で勝ち越したら、ちゃんとチケット取ったんですよ。どうしようかなと考えてチケット取るのやめました」と負け越したことで帰省は断念した。14日には熊本地震発生から5年を迎える。「まだ仮設住宅はある。(地元の宇土)市役所もまだ仮庁舎で、まだプレハブ。早くちゃんとした市役所が出来ればいいですけど」と地元を思いやった。5月場所後の帰省については「結果がどうあれ帰りますよ」と笑って話したが、かど番脱出を果たして地元に勇気を届けたい。