日本相撲協会は14日、元関脇琴勇輝(30=佐渡ケ嶽)の引退と年寄「君ケ浜」襲名を承認した。西幕下筆頭だった春場所は全休していた。

香川・小豆島町出身の琴勇輝は、08年春場所で初土俵を踏み、11年秋場所で新十両。13年初場所で新入幕を果たし、東前頭筆頭だった16年春場所では横綱日馬富士から初金星を獲得するなど12勝を挙げ、翌夏場所で新三役となる新関脇の座をつかんだ。立ち合いからもろ手突きで一気に押し出す相撲が魅力のほか、一時は立ち合いの直前に「ホウッ」と気合のこもった声を発することでも注目を浴びていた。

一方で両肘と両膝のケガにも苦しんできた。休場した20年初場所では「両変形性肘関節症により手術を予定」との診断書を提出。同年10月には左膝の内視鏡手術を受けていた。西十両9枚目だった1月の初場所では4勝11敗と負け越し、11年秋場所の新十両昇進以来守り続けた関取の地位を失った。通算480勝430敗70休。金星1個、殊勲賞1回受賞。