4日間の日程で行われる大相撲の合同稽古は21日、東京・両国国技館内の相撲教習所で3日目が行われ、大関朝乃山(27=高砂)が3日連続で、三番稽古(同じ相手と連続して相撲を取る稽古)を行った。

初日は同じ大関の正代(29=時津風)と15番(12勝3敗)、前日も小結御嶽海(28=出羽海)と15番(11勝4敗)。この日は平幕の明生(25=立浪)を指名した。本場所では過去5勝1敗と退けている相手だが、3月の春場所は10勝を挙げ初の三賞(敢闘賞)を受賞。勢いのある相手に、右をねじ込み一方的に寄り立てるなど11勝3敗。逆に明生に左を差し込まれると劣勢になるシーンもあった。

明生を指名した理由を朝乃山は「先場所、(東前頭)3枚目で勝ち越しているし来場所も当たる。もろ差し、スピードが備わっているのが明生関の武器でもあるので、それを肌で(知るためには)めったにできないので」と説明した。本場所の1日1番と違い、連続して取ったことで「差されたりすることがあった。そこが悪かった」と反省点を見いだした。

右四つ、左上手が本来、得意とする形だが、明生との稽古では、逆の左四つになる場面も。意図してやったわけではないとしても「そういう部分も、これから必要だと思う。流れで左四つになったとしても、しっかり攻められるようにしていきたい」と、新たな攻め手の引き出しの1つを見いだせた。

明生に対しては「体も一回り、大きくなっているしその分、相手から押されにくくなり、もろ差しの相撲も目立っている」と評価した。合同稽古も残り1日。「ケガをしないように、いい形で(26日の)番付発表を迎えたい。番付発表になれば、場所が始まるんだなという気持ちになる」と、2年ぶり2度目の優勝を目指す大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)を見据えた。