大相撲の境川部屋の三段目力士、響龍(ひびきりゅう)さん(本名・天野光稀)が、急性呼吸不全のため東京都内の病院で28日に死去した。日本相撲協会が29日、発表した。28歳だった。響龍さんは、春場所13日目の取組で頭部を強打。救急搬送されて入院中だった。現役力士の死去は、昨年5月に新型コロナウイルス性肺炎による多臓器不全でなくなった三段目の勝武士さん以来。取組で負傷した力士が死亡するのは異例の事態となった。

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◆最近の土俵上のアクシデント 初場所10日目、幕下の湘南乃海-朝玉勢戦でのこと。最初の立ち合いは手つき不十分だったとみられ、行司が待ったをかけた。しかし、頭同士がぶつかり、湘南乃海がフラフラになって立てなくなった。脳振とうになったとみられる。審判団が協議し、本人の意思を確認した後に取組をやり直した。だが、この判断は危険だったとされ、日本相撲協会は初場所後の理事会で審判規則の一部を変更。「審判委員は、力士の立ち合いが成立する前に、相撲が取れる状態でないと認めた場合には、協議の上で当該力士を不戦敗とすることができる」とした。