大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)で西十両2枚目に就いた人気業師の宇良(28=木瀬)が3日、“ミニマリスト”になったことを明らかにした。報道陣の電話取材に応じ「最近ミニマリストに憧れていた。本格的に始めたのは去年の4月くらい。いろいろメリットがあるので」と説明した。

物欲が強いタイプではないが、もらい物などを部屋にため込んでしまう傾向があったという。「(昨年春に)大阪に帰ってから、ずっとユーチューブで勉強して、本も読んできた。(何冊読んだかは)読み過ぎて分からない」。現在は服なども必要な分だけ残し、Tシャツは5枚に厳選。服選びに費やす時間や、部屋掃除の時間が減った。「自分に必要なものは何かを見つめ直せた。整頓もしなくていい。置く場所も決まっている。モノの住所を決めるじゃないけど、自然とちらからないような部屋になった」。紙媒体で読んでいたミニマリスト関連の書籍は古本屋に売り、電子書籍に切り替える徹底ぶりだ。

ミニマリストに転身したことで、本業の相撲でも「(プラスになったことは)ありますよ。自分が日常で何をやるか明確になった。自分に使う時間も増える」と強調する。関取復帰3場所目となった先場所は、左ふくらはぎの負傷で途中休場がありながら2桁白星に到達。17年九州場所以来の幕内復帰も見えてきた。

公称の体重は143キロ。「自分で言うのもなんなんですが」と前置きした上で「昔(幕内で活躍していた時期)の動きにはついていけないが、絶対体は強くなっている。失ったものを別のもので補っている感じ」と説明。アクロバティックな動き以上に、力強くなった押しの威力を好調の要因に挙げた。

押しに磨きをかけるため、さらなる体重増が必要と考えている。自身の食の細さを認める宇良。「楽しく(食事を)している人がうらやましい。僕はけがもあって仕方なくこういう形で取っているけど、仕方ないからやっているだけ。僕は痩せたいです」と冗談っぽく話し、笑いを誘った。