結びの一番に臨んだ大関朝乃山(27=高砂)が、小結大栄翔を下して4大関安泰を演出した。立ち合いは大栄翔ののど輪を受けて押し込まれたが、俵に足をかけて耐えた。上体をのけ反らせながらも、左が深く差さると体をうまく入れ替えて送り出した。「しっかり足が俵にかかったので残れたけど相撲はよろしくない」と反省した。

自身の取組の前に、照ノ富士、正代、貴景勝の3大関が白星を挙げていた。それだけに「気にはしました。目の前で勝つと自分も勝たないといけないと思った。そういう気持ちがありました」と力が入った。重圧がかかる中で白星を挙げて「初日に勝つのと負けるのでは違う。勝てて良かったです」と安堵(あんど)した。

昨年の春場所後に新大関に昇進してから1年がたった。同年7月場所での12勝が大関としての自己最多だが、大関として優勝はまだ経験していない。場所前には優勝を目標に掲げ、この日も「出る力士の最高位として優勝が求められる。それが結果です」と、あらためて優勝への思いを口にした。