東前頭筆頭の若隆景が現役大関連破に続き、大関経験者の高安にも完勝した。

低い立ち合いから右おっつけで前に出て、最後はもろはずで押し出した。「落ち着いて相手を見ながら前に出られたのがよかった。右を差されないように、意識して相撲をとれたかなと思います」と言った。

祖父が元小結若葉山で父は元幕下、3兄弟の2人の兄も現役力士という相撲一家に育った。体重127キロと角界では小柄だが、それを補う技術がある。下半身をしっかり決めて、下からの攻めで大型力士を打ち破る。「自分の相撲を取りきるだけです」の言葉にも自信がみなぎってきた。

5日目は、勝ちっぱなしの大関照ノ富士に挑む。優勝争いの鍵を握る存在になってきた。この日から有観客となり、「声援は力になります」。夏場所の主役に躍り出るか。その可能性は十分に示している。