東幕下7枚目の阿炎(27=錣山)が、2場所連続の7戦全勝優勝で来場所の十両復帰を確実にした。

出羽ノ龍との全勝対決。もろ手突きから左のど輪で押し込み、そのまま圧倒して押し倒しと地力の違いを見せつけた。「1番ずつ集中できた場所だと思います。先場所は国技館の広さとか戸惑いながらだったが、今場所は慣れて相撲に集中できた。自分の距離で相撲がとれたと思います」。

昨年7月場所前や場所中、新型コロナウイルス感染症防止のため日本相撲協会が策定したガイドラインに違反する形で飲食など不要不急の外出を繰り返した。協会からは出場停止3場所、5カ月50%の報酬減額の懲戒処分を下された。一時は引退も覚悟しながら、復帰しての2場所連続V。「土俵に上がれた喜びしかない。すごく厳しい言葉も、温かい言葉もかけてもらって、それが励みになっています」と言った。

昨年に結婚し、娘も生まれた。今回の不祥事の前もSNSで炎上騒動を起こすなど、角界きっての「やんちゃ」は人が変わった。「前より土俵に集中している気がします。そうしなければならない。前に進ませてもらった以上、自分も前に進まないといけない。応援してくれる方々の期待にそえる力士になりたい」と誓った。