大相撲の十両徳勝龍(34=木瀬)が9日、都内の部屋での稽古後、代表取材に応じ「常に上を目指してやらないとそこで終わってしまう気がする。やるからには一番上、幕内で。やっぱり幕内は華ですよね」と、幕内復帰が確実な名古屋場所(7月4日初日、ドルフィンズアリーナ)に向けて気持ちを高めた。

この日は相撲を取らず、基礎運動を中心に調整した。「(調整は)いつも通りと言えばいつも通りですけど、場所が早めにありますから、ちょっと早めに体をつくる感じ」。東十両2枚目だった夏場所では11勝。「2桁は久しぶりじゃないですかね。やっぱり自信にはなりますよね」と、名古屋場所に向けて弾みをつけた。

“史上最大の下克上”とも呼ばれる昨年初場所の幕尻優勝から1年半が経つが「過去の話ですよ」と笑い飛ばす。来場所は優勝した場所と同じく返り入幕。「(昨年初場所は)全然最初から優勝とか思ってなかったですし、狙ってできるものでもないので。みんな言うと思うんですけど『1場所1場所』、『一番一番集中』。みんなそうだと思う。多分聞いている人からすると面白くない答えですけど、それが本当の答えなんで」と地に足をつけた。

8月に35歳の誕生日を迎えるベテランだけに、体のケアには一層の注意を払う。「ケガしてからケアしては遅い。ケガする前にしっかりやるという感じですね」。千恵夫人もサポート。「ごはん、お米とかを雑穀米にしたりとか。白米じゃなくて、十六なんとか雑穀みたいな。そういうのは(奥さんが)気を使ってくれているなっていうのがありますね。飯を作ってくれてありがたいですよ」。周囲の支えに感謝しながら、来場所は昨年11月場所以来となる幕内での勝ち越しを目指す。