日本相撲協会は11日、都内で臨時理事会を開き、協会作成の新型コロナウイルス対策のガイドラインに違反した大関朝乃山(27=高砂)に出場停止6場所と6カ月50%の報酬減額の懲戒処分を下した。名古屋場所(7月4日初日、ドルフィンズアリーナ)はかど番で迎えるため、大関からの陥落が決まった。また、師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)には、3カ月20%の報酬減額の懲戒処分を下した。

協会発表によると、朝乃山は外出禁止期間中の1月の初場所前、3月の春場所前と同場所中、5月の夏場所前に計10回キャバクラに通っていたという。また、20年1月場所と11月場所前の外出禁止期間中に計3回の会食を行ったという。

キャバクラ通いが発覚し、5月場所中に行われた協会の調査に対して、同行した記者と口裏合わせをした。同日は外出期間中でも例外として許されている整体治療に行くため神楽坂で待ち合わせをしただけ、などと虚構のストーリーを作出して報告。また、携帯電話に残っていた記者らとの間のメッセージを消去するなど証拠隠蔽(いんぺい)工作を行ったという。

1度は虚偽報告をした朝乃山だが、その後の再調査で事実を認めた。5月21日付で師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)が朝乃山の引退届を協会に提出。しかし、コンプライアンス委員会の調査に真摯(しんし)に対応し、深く反省しているとみて、同委員会は八角理事長(元横綱北勝海)に出場停止6場所と6カ月50%の報酬減額の懲戒処分を答申。これを受けて処分が正式決定し、引退届は八角理事長預かりとした。