進退を懸けて土俵に上がる横綱白鵬(36=宮城野)が、奇襲を仕掛けてきた翔猿を退けた。

徳俵付近まで下がり仕切ってきた翔猿。立ち合いは互いに様子を見るように、ふわっと上体だけを起こして立った。先に近づいたのは白鵬。中に入らせまいと丁寧に突いていった。しかし勝負は決まらず、いったん距離を取り、土俵中央付近で互いに仁王立ち。警戒するように腕を伸ばしながら近づいてきた翔猿を今度こそはと捕まえると、左上手を取って豪快に投げ飛ばした。

初日から無傷の7連勝とし、中日勝ち越しに王手をかけた。しかし、オンライン取材には応じずに無言で会場を後にした。6場所連続休場明けや右膝手術などの不安要素がありながらも、歴代最多44度の優勝を誇る横綱の意地を見せている。2日続けての初顔合わせとなる8日目の琴恵光も下し、まずは勝ち越して1つの壁をクリアする。

▽八角理事長(元横綱北勝海) 白鵬は落ち着いていたということでしょうね。翔猿は何かしないと。最初は距離を取ったけど結局、何もできなかった。