綱とりに猛進する大関照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、この日も勝って11連勝とした。

役力士との対戦が待ち構える、終盤5日間の滑り出しの一番も、全く危なげなかった。対戦成績9勝4敗の関脇御嶽海(28=出羽海)に対し、低い体勢で出足を止め左前みつを引くと、一気に足を運び寄り切った。踏み込みも盤石だった一番を、協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「左上手を取れたのが勝因。サッと取れた。それだけ踏み込みが良かったということ」と電車道の相撲を評した。御嶽海からすれば、はずで押すのが理想だったろうが、それをさせなかった照ノ富士の内容を「それだけ踏み込んで密着してたということ」と分析。取組前には、終盤で役力士との対戦が控えることに「引き締めているとは思うが、初めての(対戦)相手よりは(いい)」と精神的にはプラスに働くことを推察。さらに「先場所、先々場所と優勝しているから自信が出ている」と充実ぶりを評価していた。