土つかずの14連勝で、いよいよ千秋楽結びの一番で横綱白鵬(36=宮城野)との全勝対決に臨む大関照ノ富士(29=伊勢ケ浜)を、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、あらためて「立派です。(相撲)内容がいいです」と高く評価した。

過去8勝12敗と、やや苦手にしている関脇高安(30=田子ノ浦)相手にも、早くも場所後の昇進が確実になった“横綱相撲”で? ねじ伏せた。互いに低い前傾体勢で勝機を見いだそうと互角に渡り合ったが、最後まで体勢が崩れなかった照ノ富士が左上手を瞬時につかむと、勢いそのままに寄り切った。

「よく前傾を崩さずに辛抱した。高安もいろいろやったけど結局、押せなかった。腰が崩れたのが高安。足の力のなさでしょう。照ノ富士はドッシリしていた」と八角理事長。さらに「序盤は押されはしなかったけど深追いしなかった」と冷静さも指摘していた。

横綱白鵬-大関日馬富士戦以来、9年ぶりとなる千秋楽結びの全勝対決に臨むにあたっては「同じように慌てない相撲が一番。前傾を崩さないことが大事だ」と推察した。さらに「白鵬には、まわしを取られるだろうけど、ガップリ(四つ)の相撲を見たい。ガップリになっても白鵬は上手を切る技術がある。(照ノ富士とすれば上手を)取った瞬間に出る、攻めないと切られる」と攻防の激しい一番を期待していた。