横綱白鵬(36=宮城野)が、なりふりかまわず7場所ぶり45度目の優勝を果たした。14勝同士で勝った方が優勝となる大関照ノ富士との結びの一番。立ち合いで左手を相手の顔にかざし、右肘で強烈なかち上げ。最後は小手投げで、照ノ富士を転がした。鬼の形相で、右腕で豪快にガッツポーズを見せた。土俵ではふさわしくないとされる喜び方で、復活を印象づけた。

NHK大相撲中継で、解説者の舞の海秀平氏は「ただ、また立ち合い、肘打ちいきましたね。顔面を狙って」と指摘。同じく解説者の北の富士勝昭氏が「ありとあらゆることをやっているからね。うーん。やっていることはえげつないんだけどね、勝負にかける執念…」と言葉を失った。

NHKの太田雅英アナウンサーは、勝った後のガッツポーズについて「抑えなければいけないところだったと思いますが」と触れると、北の富士氏は「何かもう…、ここまで今まで45回優勝見ているけどね、何かあったかね? えらい力んどるね。何かあったかね?」と白鵬の感情の高ぶりに驚きを隠せなかった。舞の海氏は「しかし、余裕はありませんでしたね。精神的にも肉体的にも余裕がないから、ああいう相撲を取るんでしょうね」と解説した。