大相撲名古屋場所で史上最多を更新する45回目の優勝を全勝で飾った横綱白鵬(36=宮城野)が、千秋楽から一夜明けた19日、オンラインで会見に臨んだ。以下一問一答。

◇ ◇ ◇

-今の心境は

白鵬 厳しい激しさを乗り越えて、素晴らしい日だね、今日は。最高です。

-充実感か

白鵬 そうだと思います。

-名古屋場所は

白鵬 本当に自分の相撲人生というか、今ままでのこともあったし、44回の優勝と比べても思い出になるというか、上位になる。

-理由は

白鵬 相撲人生を懸けた。

-結果は

白鵬 信じられないですね。(変化は)ありましたね。肉体的にも精神的にも大きくなった。

-序盤は厳しかった

白鵬 取りこぼさなかったのが大きかった。(初日に)よし、いけるという表情ですよね。

-手応えは

白鵬 初日じゃないですか。例えばね、分かりやすく説明すれば野球選手なら左打者が右打者になる。その立ち合いで勝ったというのが大きかった。軸の足が右なんで。左から踏み込むのは違和感あった。それがピタッと合ったのが3日目だった。調整が三段目だからね(場所前)。右打者が左で打つということだから。シーズン中だよ。

-気迫を全面に

白鵬 追い込まれました、随分。横綱昇進してから大鵬さんからアドバイスしてもらいましたが、横綱というのは常に(引退を)考えないといけない。あの大鵬さんが言った言葉ですから。綱の重みはずっと感じてきた。それをこの場所で「引退」という2文字近づいて、本当にとなりに来てました。自分を奮い立たさせていきました。

-「進退」が消えたのは

白鵬 やっぱり勝ち越しですかね。横綱になっても勝ち越しは1つクリアというか。自分の中でも横綱の勝ち越しは10勝、ノルマは12勝。12番なった時に「優勝目指そう」気持ちになった。

-今、進退は

白鵬 それは僕が考えることじゃないんで。横綱は体だけ整えればやれるというものでもない。

-右膝は

白鵬 いい方ですよ。多少、水たまってますね。今日、朝起きたらそう感じた。

-照ノ富士の存在

白鵬 (取組)後の方がプレッシャーありますからね。本当に安定感ある相撲だったね。緻密な動きしていた。

-照ノ富士の連勝は重圧

白鵬 今思えばそうだよね。(千秋楽は)まず思い切っていこうと。相撲というのは2本の足、2本の手、すべて使うもの。足の部分でどうだったのかなとは思う。それが36歳になっても健在だったということ。

-2横綱になる

白鵬 千秋楽に感じたことは正直、横綱としてやってくれる。

-今後の目標

白鵬 朝起きた時に今日、何もないんだよなという気持ちよさを久しぶりに味わったよね。稽古行かなくていい、体動かさなくていい。次となったら勘弁してもらいたい。責任が1人から2人になりますから。ちょっと楽になるかな。重ね重ね、いろんなものがあったからね。進退、おやじとの約束もあった。ナーダムも中止になった。(モンゴル)国民の8割が相撲見てたんですよね。昨日、電話すごかったですよ。記念すべき45回目の優勝を成し遂げた。自分で言うのも何ですが自分をほめたいです。

-東京五輪への思い

白鵬 (父の五輪銀メダル)10日目過ぎてから気持ちを高めたいと思って。千秋楽の土俵入り前にメダルが届いた。私も楽しみにしている。本来なら行って応援したいけど。勇気も与えたんじゃないかと思う。

-14日目、正代戦は

白鵬 膝がよくないからね。どうしても踏み込み負けしたくなかった。朝起きてあの仕切り。あそこまで下がるとは思ってなかったけど。

-横綱900勝への思い

白鵬 東京五輪2020への思いに対して「言葉」の大事さ。3月に手術してから「900」という目標。数字というものは自分を奮い立たせる。今場所は6場所休んでから。よくない記録かもしれないが、そこはしっかりしていきたい。

-家族とは

白鵬 おやじの銀メダルずっとつけていた。子どもたちもずっと触って。パパを誇りに思ったんじゃないかと思う。自慢のパパでしょ。

-右膝の状態は

白鵬 おかげさまで15日間ずーっと同じ。悪くもなければよくもならない。自分の感覚では水はたまっているが、これから休めるんで水も抜けると思う。

-千秋楽の感情は

白鵬 進退、引退というのが自分に迫ったのは初めて。12勝した時点でクリアしたとは思ったが、もうひとつのクリアが優勝。それを成し遂げた。国民の7割が照ノ富士が勝つと予想していたとして、自分もどうなのかなと。炎鵬が付け人してくれて支えてくれた。「やったよ」という思いが出たんだと思う。